若者よ、急いでくれるな。

真犯人が最初から明かされていて、
犯行場面の描写があり、
大抵の場合犯人の視点でストーリーが進み、
探偵なり警察なりが真相を暴いていく。

自分の好きなこのタイプの推理小説
倒叙モノ」といわれる形式であるのを
この本の解説で初めて知った。

青の炎 (角川文庫)

青の炎 (角川文庫)

なんともはがゆい小説である。

もっとよく考えろ、
そんな短絡的なことでええんか、
本当に本当にそれしかないんか、と
終始、秀一(主人公)の耳元で怒鳴りたくなる。

そして、同じくらい強く
抱きしめてやりたくなる。
もう、いいからと。

ラストの場面は繰り返し胸に迫り、
思い返すたび、目を閉じてしまう。

つらい小説である。