若者よ、急いでくれるな。
真犯人が最初から明かされていて、
犯行場面の描写があり、
大抵の場合犯人の視点でストーリーが進み、
探偵なり警察なりが真相を暴いていく。
自分の好きなこのタイプの推理小説が
「倒叙モノ」といわれる形式であるのを
この本の解説で初めて知った。
- 作者: 貴志祐介,角川書店装丁室
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2002/10/23
- メディア: 文庫
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なんともはがゆい小説である。
もっとよく考えろ、
そんな短絡的なことでええんか、
本当に本当にそれしかないんか、と
終始、秀一(主人公)の耳元で怒鳴りたくなる。
そして、同じくらい強く
抱きしめてやりたくなる。
もう、いいからと。
ラストの場面は繰り返し胸に迫り、
思い返すたび、目を閉じてしまう。
つらい小説である。