2006-01-01から1年間の記事一覧

松本大洋の江戸へようこそ

はじめて読んだ松本作品は「花男」だった。 茂雄の小憎らしいほどの可愛いらしさにやられた。「ピンポン」に出てくるペコもそうだけど ちょっと生意気で気が強くて努力家で賢い子供は 見ていて本当に楽しい。 竹光侍 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)作者: 松…

好きじゃないけど、気になるってやつ。

ストーリーテラーという言葉がある。 読者をぐいぐい引っ張っていく文章を書ける作家、というような 意味だろうか。引き込まれる、と言ったほうがいいかも知れない。この言葉を初めて実感したのは、コニー・ウィリス「航路」を読んだ時。 土曜日に図書館で借…

ジャケ買いでした。

ナニが楽しいって、 既知の事実であるかのごとく詳細に語られる異世界の冒険譚を 居心地のいい場所でぬくぬくと読みふけるこの快感。この快楽を最初にもたらしてくれたのが ジャック・ヴァンスの「魔王子シリーズ」だった。 ストーリーの面白さ、ディテール…

マイ西原ブーム

久しぶりに号泣。 なにがいいって、みっちゃんのキャラが。これがもう。ダンナと逃げたフィリピンパブの子を車で追い掛け回したり、 腹を刺されたろくでなし男に救急車を呼んでくれと頼まれて 「贅沢」と言い放ったり。 もう、すこーんと突き抜けちゃってる…

溺れる。

ふと、頭に浮かぶ光景。あ、これ、なんの画だっけ。映画・・・アニメだったかな。 頭上の大樹からこぼれる光のきらめきも、 鮮やかなマリンブルーの海を見下ろすアングルも、 太陽に手をかざす少女のひざあたりで翻るワンピースのすそも 暖かさが伝わるよう…

超好きかも

ちょっと遠くに住んでる友人は、男の子ばかり4人の子持ちだ。 さぞかし毎日うるさかろうと思っていたが、そうでもないらしい。 「同い年の女の子がいる家のほうが何倍もうるさい」らしい。男兄弟がいない私は、家の中に男の子がいるのがどんなものなのか よ…

人間は忘れる生き物である。よかった。

飲み会などでやる他愛のない勝負の罰ゲームは、 その目的と性格が大きく二つに分かれる。 男女のコミニュケーションを盛り上げるものと とにかく笑いを取るためのものだ。 前者は、まあコンパの王様ゲームの類であるが、 後者はさらに次の2種類に分かれる。…

でも東江さんの訳は好き。

シリーズ物のクオリティを保つのは大変な事だろうと思う。 映画にしろ小説にしろ漫画にしろ。人気のあるシリーズには期待も要望も多いし、 一度受けた感動は忘れがたく、記憶の中でさらに深く大きく育つものだ。 打ち勝つのは容易じゃない。砂漠で溺れるわけ…

I、太田川、元安川、S

自分の、今居る場所を伝えたいとき、どんな風に言えばいいだろう。普通に考えると住所。所、番地というやつですね。 県内、日本国内であればそれでも多分大丈夫。でも、 広い地球上のどこかにいる誰か、とか、 どこまで広いかわからないくらい広い宇宙のどこ…

直木賞受賞おめでとうございます

小説や漫画を読んでいる時、自然と自分のお気に入りの人物ができることがある。 なんとなく肩入れしてしまうとか、その人物にとって良い結果になるようにと 願いながら読んでいるとか。青春小説を読んでいる時にこの傾向が顕著であるのは 同じくらいの年頃の…

今でもずっと、おばあちゃんち

きれぎれに覚えている幼い頃の記憶の一つ。 おじいちゃんの煙草入れの黄色いアセチレンの色。 テレビの上の鶴と亀の針金細工の置物。 おばあちゃんの雑煮。 おばあちゃんの作る雑煮はちょっと変わっていて たっぷりの葱と牛肉が入った甘辛い雑煮だった。 で…

男の子、それも小学校4年〜6年くらいの少年達は なんであんなに無鉄砲で、残酷で、熱っぽいんだろう。私はショタコンではないが、あの年頃の男の子が持つ眩しさは やはり特別な気がする。「サマー・オブ・ナイト」ダン・シモンズ。 http://www.amazon.co.j…

生きていくこと

答えは分かっていてもなぜそうなのかをちゃんと説明できないものって結構ある。ジョージ・R・R・マーティン「フィーヴァードリーム」。フィーヴァードリーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)作者: ジョージ・R・R・マーティン,George R. R. Martin,増田まもる出版…