でも東江さんの訳は好き。

シリーズ物のクオリティを保つのは大変な事だろうと思う。
映画にしろ小説にしろ漫画にしろ。

人気のあるシリーズには期待も要望も多いし、
一度受けた感動は忘れがたく、記憶の中でさらに深く大きく育つものだ。
打ち勝つのは容易じゃない。

砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)

砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)

ご存知、ドン・ウィンズロウの人気シリーズ第5作目で
これが最終巻となる。
「ストリート・キッズ」で探偵業その他人生のイロハをグレアム「父さん」
に叩き込まれたニール・ケアリーが、その後
仏陀の鏡への道」で厳しい試練を乗り越え(私はこの巻が一番好き)、
「高く孤独な道を行け」で運命の出会いをし、
その相手カレンと結婚式をあげる2ヶ月前、という設定の今作。

昨年出た「ウォータースライドを登れ」の時にも感じたのだが、
最初の3作に比べるとどうにも物足らない。
ボリューム(ページ数)もだが、ストーリーもプロットもいまいち。
これなら「高く〜」でシリーズ完結にした方が良かった。

これがシリーズでなく、番外編とかそういう形で出たのだったら
もっとすんなり楽しめたのに、と思うとちょっぴり残念。
ネイサンじいさんがいい味だしてるのになあ。