好みまで似てる気が。

こんな風に読書感想文(小学生か)など書いていると、
世の書評家といわれる方々の凄さがホントよくわかります。

すんごくおもしろい本に出会ってみんなに是非読んでほしい!と思っても、
「これ、ものすごくおもしろいから、いいから読んで読んで」
これじゃ何がどうおもしろかったのか全然伝わらない。

まあ、職業的書評家ではないのでそれでもいいんでしょうけれども、
自分の言いたかった伝えたかったおもしろさのポイントをがっちり掴んで
熱く深く語って下さってる解説なんかを読んだりすると
うーん、さすが、これこれこれが言いたかったのよう、と感激しつつも
ちょっぴり、ちくしょーと思ってしまうのは高慢でしょうか。

水滸伝 6 風塵の章 (集英社文庫 き 3-49)

水滸伝 6 風塵の章 (集英社文庫 き 3-49)

この6巻の解説がこれまでで1番だと思う。
こういう力強い解説を読むと、文庫本てほんとお得ー、と思います。

情熱と食欲の間

憧れとか、
そんな甘い言葉では言い表せないくらいの、宇宙への強い想い。
いや、想いですらないかも知れない。欲求?本能?
それはどれだけの犠牲を払ってでも成し遂げたいと、
理性の領域を軽々と超えてくるものらしい。


沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)

沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)


そんなにも激しいパッションを変わらぬテンションで保ちつつ、
なお冷静で居続けること。

宇宙飛行士に求められる条件の過酷さはハンパじゃないだろうに。
それでも彼らは宇宙への憧憬を失うことはないのだろう。
まさに、「ウは宇宙船のウ」だ。


でもなあ。
味気ない流動食だけで10年間も耐えられるものかしら。
まあ、ビールなしで半月も耐えられない私が考えたって仕方ないか。

男も女も

食わず嫌いは一生のソン。
そう思ってきたはずなのに、なぜか敬遠していたこの人。

水滸伝 4 道蛇の章 (集英社文庫 き 3-47)

水滸伝 4 道蛇の章 (集英社文庫 き 3-47)

今まで一度も作品を手にしたことすらなかったのに、
気がついたら4冊まとめ買いしていました。
それほどに、強いオーラをはなっていた本書。
一読、ナットク。のおもしろさです。

まだまだ序盤で登場人物も揃ってないけれど
早くも梁山泊に肩入れしまくり。
人間の、つよさ、弱さ、悲しさ、愛おしさが
力強い文章で語られる心地よさ。
物語を読みふける快感にどっぷり浸れます。

ハヤク5巻を買いにいかなくちゃあ。

今年も出たよ

これを見て思ったのは、去年ほんっとに本読んでないなあということ。
特に海外SFなんて、ベストテンの作品ひとっつも読んでない。

まあ日本の作品が充実してたからっていうのもあるけど
自分が読んでないと書評のおもしろさは半減するね。反省。

それよりも、
本の雑誌に掲載されてた「笹塚日記」が最終回だと!
毎月まっさきに読むくらい大好きな連載だったのにー(涙)。

目黒さん、「町田日記」でもいいので続けて下さい。
お願いしますお願いします。

若者よ、急いでくれるな。

真犯人が最初から明かされていて、
犯行場面の描写があり、
大抵の場合犯人の視点でストーリーが進み、
探偵なり警察なりが真相を暴いていく。

自分の好きなこのタイプの推理小説
倒叙モノ」といわれる形式であるのを
この本の解説で初めて知った。

青の炎 (角川文庫)

青の炎 (角川文庫)

なんともはがゆい小説である。

もっとよく考えろ、
そんな短絡的なことでええんか、
本当に本当にそれしかないんか、と
終始、秀一(主人公)の耳元で怒鳴りたくなる。

そして、同じくらい強く
抱きしめてやりたくなる。
もう、いいからと。

ラストの場面は繰り返し胸に迫り、
思い返すたび、目を閉じてしまう。

つらい小説である。

21日はひろしま男子駅伝だ

ラソン解説者の増田明美さんが好きだ。

かつて、彼女の走る姿をTVで見ていて
涙があふれて止まらなくなったことがある。

ただ走っている人の姿が、なぜこんなにも胸を打つのか。
走っている人の姿は、なぜこんなに美しいのか。
自分でもなぜ泣いているのか判らないまま
ただ涙を流しながら画面を見続けた。

何の大会だったのか、彼女が何位でゴールしたのかさえ
忘れてしまったのに、あの震えるような感動は
未だに忘れることができない。
スポーツを見ていて泣いたのはその一度きりだ。

だからという訳でもないが、走り関係の小説には
手を出さずにはいられない。


風が強く吹いている

風が強く吹いている


まず、登場人物の名前がいい。
ハイジにユキちゃんなんて、普通つけるか?

人物造詣もちょっと漫画のキャラクターのようだけれど
ハマッてしまえばそれさえ愉快に思える。

でも、最後まで三浦しをんの小説を読んでる気がしなかったのは
なんでだろ。

松本大洋の江戸へようこそ

はじめて読んだ松本作品は「花男」だった。
茂雄の小憎らしいほどの可愛いらしさにやられた。

「ピンポン」に出てくるペコもそうだけど
ちょっと生意気で気が強くて努力家で賢い子供は
見ていて本当に楽しい。


竹光侍 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

竹光侍 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

帯に、作者の新境地、とある。うーん、確かに。
思わずにやりとさせるセリフ、ダイナミックな構図等々
新鮮な表現で、変わらぬおもしろさ。凄い。

勘吉と瀬能のやりとりが楽しく、
江戸の風物がおもしろく、
なにより画が凄い。

時折、瀬能が見せる狂気の色。風の音。
しびれるほどのかっこよさである。
未読の方、是非是非。